Automatic Tape Dispenser

直訳すれば、「自動テープ供給機」となるのだろうが、ここで取り上げる製品には、一般的にイメージする『自動=電動』製品ではなく、すべて『手動』製品である。

では、何が『自動』なのか?

例えば、テープを貼る作業を思い浮かべてもらいたい。
プレゼントなどのラッピングの最後にテープを貼る際、最も気を遣うのは、粘着面に指紋跡を付けないようにする事である。そのために、指紋跡が付いた端をハサミやカッターで切り取っていたりしていないだろうか。

つまり、いかにして、指紋跡を付けずにテープを貼り付けることが出来るか、を『自動』化した製品達なのである。

ここでは、電動ではない、以下のいずれかの機能を有している製品を掲載している。

見方によっては、「これが、Automatic か?」と思われるかもしれないが、上記の定義を満たす為の仕掛けを考えた技術者に敬意を表して、見ていただきたい。

なお、いくつかの製品は、既に販売が終了しているため、入手は困難である。


AUTOMATIC TAPE DISPENSER
・製品名 AUTOMATIC TAPE DISPENSER
・型番  
・製造Leti (韓国)
・販売(有)ジェーシーコーポ
・価格780 円(購入時)
・テープサイズ小巻:18 mm × 35 m
(クリアテープの場合)

ピストル型のテープディスペンサーで、2000年7月のISOT会場にて見本出品されていた製品で、その後、国内にて販売されるようになった。

引き金を引くと、先端からテープが出てきて、上部にあるスライダーを引くと、テープがカットされるようになっている。
引き金部分のローラーでテープを引っ張りだすため、粘着力の強いテープでは、うまく引き出せない場合がある。そのため、住友3Mのスコッチテープやメンディングテープの使用を推奨されている。

本品は、輸入代理店(有)ジェーシーコーポが販売元で、伊東屋にて入手した物。 その後、ドラパスブランドの三幸製図機械製作、ニチバンからも販売されている。

第26回ジュネーブ国際発明品展示会銀賞受賞。

大きさ:110 × 79 × 25 mm


製品比較
会社名 製品名 型番 テープサイズ 価格
Leti AUTOMATIC TAPE DISPENSER (不明) 18 mm × 35 m 780 円
三幸製図機械製作(ドラパス) おもしろテープカッター No42-861,No42-862 18 mm × 25 m 750 円
ニチバン メンディングテープ ハンドカッター OMD-15D 15 mm × 20 m 500 円
ニチバン ナイスタック ハンドカッター NW-12D 12 mm × 8 m 500 円


The One Hander
・製品名 The One Hander
・型番 JN-12A
・製造・販売JAAN NIAN
・価格120 円(当時)
・テープサイズ小巻:12 mm × 20 m
(クリアテープの場合)

上部を押すと、写真左下に見える黒い窓の所からテープが出てくる様になっている。

物にテープを貼る場合は、以下の動作を行う。

  1. 貼り始める位置に、黒い窓の所を当てる。
  2. 上部を押さえながら、出てきたテープを貼る面に沿って、押し当てながら本体を引く。
  3. 終点が来たところで、引くのを止め、上部を離すと、黒い部分の裏に隠されているカッターがテープを切る。

大きさ:99 × 68 × 26 mm



MOUSE TAPE DISPENSER
・製品名 MOUSE TAPE DISPENSER
・型番 DP076
・製造・販売ハイタイド
・価格780 円
・テープサイズ小巻:18 mm × 25 m
(クリアテープの場合)

物にテープを貼る場合は、以下の動作を行う。

  1. 貼り始める位置に、本体下部に見えるテープを当てる。
  2. 上部を押さえながら、テープを貼る面に沿って、押し当てながら本体を引く。
  3. 終点が来たところで、引くのを止め、上部を離し、手首のスナップを利かせるように、ギザギザのカッターでテープを切る。

「手首のスナップ」がミソであるが、メンディングテープでは、うまく切れなかった。

大きさ:86 × 85 × 38 mm



セーフティーカッター
・製品名 セーフティーカッター
・型番 Tape No.301
・製造・販売(株)大創産業
・価格100 円
・テープサイズ小巻:12 mm × 10 m
(クリアテープの場合)

ダイソーの製品。

物にテープを貼る場合は、以下の動作を行う。

  1. 貼り始める位置に、本体下部に見えるテープを当てる。
  2. テープを貼る面に沿って、押し当てながら本体を引く。
  3. 終点が来たところで、引くのを止め、上部のスライドを引くと、内部の山型カッターがテープを切る。

大きさ:93 × 54 × 32 mm



Tape-de-Goo
・製品名 Tape-de-Goo
・型番 M-18
・製造ミタカ精工
・販売(株)関忠
・価格1,480 円(東急ハンズ価格)
・テープサイズ大巻:18 mm × 35 m
(クリアテープの場合)

大巻を使用した製品。

物にテープを貼る場合は、以下の動作を行う。

  1. 貼り始める位置に、本体下部の【Start&CUT POINT】の位置に当てる。
  2. テープを貼る面に沿って、押し当てながら本体を引く。
  3. 終点が来たところで、引くのを止め、【Start&CUT POINT】手前を押し込むと、内部のカッターがテープを切る。

テープがカットされる際、「カチン!」と、バネの力でカッターが飛び出しでストッパーにある音がする。

大きさ:160 × 110 × 25 mm



AUTOMATIC TAPE DISPENSER
AUTOMATIC TAPE DISPENSER
・製品名 テッカーホルダー(Tecker Pal L)
・型番 (不明)
・製造・販売ゼブラ
・価格500円(購入時 : 200 円)
・テープサイズ小巻:18 mm × 25 m
(クリアテープの場合)

卓上では、固定ディスペンサーにもなるタイプ。
ただし、卓上の場合、構造上、接着面が表になってしまう。

物にテープを貼る場合は、以下の動作を行う。

  1. ハンディ部を取り出し、貼り始める位置に、本体下部の白い部分を当てる。
  2. テープを貼る面に沿って、白い部分を押ししながら当てながら本体を引く。
  3. 終点が来たところで、引くのを止め、白い部分を離し、そのまま本体を引くと、手前のギザギザのカッターにテープが当たり、テープが切れる。

仕組みは至ってシンプルで、単純にギザギザの刃物にテープが当たらないように、白いガードを押し当ててテープを貼るようになっている。

大きさ:87 × 73 × 27 mm (ハンディ部のみ)



Quicker LOLO
Quicker LOLO
・製品名 Quicker LOLO
・型番 QC-12S
・製造・販売シヤチハタ工業(株)
・価格500 円(当時)
・テープサイズ小巻:12 mm × 20 m
(クリアテープの場合)

動物の形をした、テープディスペンサーで、写真の「かば」他に、「うさぎ」と「ぞう」がある。

本体を引くと、下部のタイヤの回転によって、テープが出てくる。
そのため、物に貼り付けながら、という動作はないが、出てきたテープの端を物に貼り付けたあとは、本体をひっぱいてテープを引き出す。また、カットするための仕組みは、特にないが、口のところにギザギザのカッターが有るため、本体の口をテープに押し当ててカットさせることが出来る。

大きさ:77 × 56 × 35 mm (かばの場合)



シヤチハタ クイッカー
シヤチハタ クイッカー
・製品名 Quicker
・型番 QC-12
・製造・販売シヤチハタ工業(株)
・価格700円 (購入時)
・テープサイズ小巻:12 mm × 13 m
(クリアテープの場合)

先に紹介した、"Quicker LOLO"がボタン式になった製品。

上部のボタンを「勢いよく」押すと、長さ約 6mm のテープが出てくる。
(「そっと」押すと 1mm 程度しかでてこない。)

"Quicker LOLO" 同様、テープをカットするための仕組みは、特にない。

本製品の他に、大巻を使用した Quicker (1,500 円)も有った。

大きさ:81 × 57 × 30 mm (突起部を除く)




所長 どら

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Last update: 2010/09/22

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